大紀元時報

中共肺炎はどこから? 責任論をうやむやにして日本を抱き込む中国共産党の思惑

2020年03月06日 22時42分
中共肺炎(武漢肺炎)はどこから来たのか。中国共産党は、日本や韓国に「共同責任論」をなすりつけている。写真は3月1日、東京品川駅でマスクを着用している通勤客ら(Getty Image)
中共肺炎(武漢肺炎)はどこから来たのか。中国共産党は、日本や韓国に「共同責任論」をなすりつけている。写真は3月1日、東京品川駅でマスクを着用している通勤客ら(Getty Image)

中国湖北省武漢で発生した中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大をめぐって、中国外務省の趙立堅報道官は4日、「発生源が中国とは限らない」「世界に謝罪する必要はない」と発言し、物議を醸し出している。

いっぽう、中国のSNSでは、米国政府がウイルスを中国に持ち込んだという「陰謀論」が多数書き込まれている。共産党政権は新型肺炎の発生を隠蔽し、世界に感染を拡大させた責任の回避をしようとする思惑がみえる。

米カリフォルニア大学バークレー校の肖強教授はワシントン・ポストの取材に対して、「ウィーチャット、微博、百度を見れば、『他の国が全て病んでいる(感染拡大しているという意味)』『ウイルスの発源地はアメリカだ』などの陰謀論が目立つ」と述べた。

中国共産党政権が感染発生を隠蔽し、国際社会での信頼を失墜している今、中国のSNSでタイミングよく反米プロパガンダが現れたのは「決して偶然ではない」と同教授は指摘する。「これは、共産党政権があらゆる宣伝機器を動員し、計算し尽くされた運動であり、国際社会への反撃だ」

経済学者の何清漣氏は中国の世論操作に「4つのステップ」があると3月1日のツイッターに投稿した。「1つ目のステップは、災難を感動の祭典にすり替える。2つ目、ウイルスは米国に由来するといった陰謀論を広める。3つ目は、中国はまたもや勝利を収めた(これは現在進行形)、4つ目は、中国は世界を救った、これはまもなく登場するだろう」

今回も同様に、老後の資産をすべて寄付したという87歳の高齢者、美しい長い髪を丸刈りにする若い女性医療関係者を「前線で戦う」戦士として宣伝した。この女性医療関係者の丸刈りは「彼女たちは悲しんでいる」「可哀そうだ」として、中国国内でもひんしゅくを買った。

3月4日、中国外務省の趙立堅報道官は、発生源がまだ明らかになっていないとの理由で「中国ウイルスの呼び名に反対する」と明言した。新華社通信は同日、セルフメディアの記事「自信を持って言え 世界は中国に感謝すべきだ」と「耳を傾けよう、人類運命共同体の大合唱だ」を転載した。

何氏は同日、ツイッターで新華社通信の報道を引用し、「第4ステップは私の予想よりも早く登場した」と述べた。

米在住の中国問題専門家・朱明氏は大紀元に対して、中国メディアが「西側は中国より優れているとは限らない」「中国の政治制度は西側の制度より優れている」と意図的に宣伝していると指摘した。

中国は日本に対しても「運命共同体」であると示し、連携を呼びかけている。

中日韓三国協力事務局の曹静事務次長はこのほど、中国メディアのインタビューに、「3カ国にとって感染症との戦いにおける連携は、協力深化の新たな原動力となる」と語った。

曹静事務次長はさらに「グローバル化の時代において、各国は共生し、共存し、共同発展する運命共同体だ。ウイルスは人類共通の敵であり、自分だけ被害を受けないで済む者はいない」「感染症は制御可能、治療可能であり、団結・協力し、助け合いさえすれば、最終的に打ち勝つことができるとわれわれは確信している」と書いた。

この文章でも、ウイルスの封じ込めに失敗している共産党当局から謝罪の意向はうかがえず、三国共同責任論の浸透や、感染症対策の自画自賛を行っている。

何氏は台湾メディア「上報」への寄稿文章で「中国政府は自身をウイルスの発生国から被害国にすり替え、スケープゴート探しのための世論作りに躍起となっている」と述べた。

3月3日、山田宏参議院議員は、国会の予算委員会で「中国の新聞等をみていると、『武漢で発症したのではないかも』という言い回しや、世界の蔓延拡大は韓国と日本の対応が悪いからだと言わんばかりの論調が目立ってきた」と懸念を示した。

災害を利用する中国共産党


反米宣伝と違って、日本では融和政策を展開しているようだ。感染が発生した当初、日本からマスクが中国に送られ、日本政府が中国人観光客に特別に滞在ビザを延長したりするなど、「今までの歴史問題をさておいて、今回ばかりは日本に感謝せずにいられない」との書き込みが各SNSにあふれていた。

そして、中国への支援物資に書かれた古典の名句も中国人ネットユーザーに絶賛され、「日本人はわれわれの文化を保存してくれた」とこれまでの反日論調と打って変わり、対日感情は劇的に好転した。

その後、日本での感染者増を受け、中国電子商取引最大手のアリババグループ創業者・馬雲(ジャック・マー)氏が2日、日本に100万枚のマスクを寄贈すると発表した。

3月初旬、東京都内でパンダの着ぐるみを被り、マスクを無料配布する慈善団体が現れた。これは「中日ボランティア協会」という在日中国人組織が展開している活動だという。

同会長で早稲田大学講師の張剣波氏は微博で「日本にはマスクがどこにも売っていないのに、どうして無料配布できるのか。それは、在日華人が私財を投じてみんな買い占めてくれたおかげだ」とアピールした。

中国情報をTwitterで発信するアカウント・地蛋(データン)氏によると、この中日ボランティア協会でマスクパンダを演じたのは女性実業家の曽穎氏だ。

曾氏はマスクの段ボールに「武漢からの恩返し」と書いた。地蛋氏によると、人民日報の取材でこの言葉の意味について聞かれた曾氏は、「疫病が爆発した時、全ての中国人が武漢人だった。皆は武漢人の悲しみと強さを感じた。武漢人は自分の都市を犠牲にして世界を守った。彼らはヒーローだ。今は皆が同じ戦いをしているが、ただ武漢が最前線に立っているだけだ」と答えたという。

曾氏の活動は中国メディアが一斉に取り上げ、微博のトレンド入りしていた。中国当局の思惑を反映した日中友好の美談がまた1つ、出来上がった。

中日友好を謳う在日の団体はいずれも中国統一戦線部の下部組織で、共産党政権のために浸透工作を実施している。曽穎氏は過去「日本で政治家を目指す」と微博に書き込んでいたという。このコメントは現在、削除されている。

シカゴ大学の中国政治専門家、楊達利氏はワシントン・ポストに対して、中国の言論はいずれも、国家宣伝機器が作り上げたフェイクの宣伝だと批判した。大量のライターは当局の宣伝に呼応して、投稿文や文章を作成し、その目的は「人々に中国共産党の責任への追究を忘れさせようとしている」と指摘した。

(大紀元日本ウェブ編集チーム)

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