大紀元時報

中国による尖閣諸島近辺への侵入頻度の増加により高まるリスク

2021年7月26日 12時04分
2016年8月に尖閣諸島付近を航行する中国海警局の船舶(AP通信社)
2016年8月に尖閣諸島付近を航行する中国海警局の船舶(AP通信社)

日本防衛省の発表では、ここ数か月の間に中国船旗を掲げる船舶が沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に連続で違法侵入したことを受け、日本政府は懸念を表明し海上保安庁(JCG)が万全を期した警備措置を講じている。

専門家等の見解によると中国による威嚇的な侵入頻度が増加していることで対立・紛争リスクが高まり、結果として日本の同盟国である米国が何らかの行動に出る可能性がある。

2021年2月中旬から6月上旬にかけて中国船舶による尖閣諸島周辺海域への侵入はほぼ毎日のように続いており、ここ数年の間に中国の攻撃的行為の頻度は高まるばかりであると、防衛省は発表している。

日本が長年にわたり実効支配している尖閣諸島を中国は自国領土と主張している。

岸信夫防衛相は2021年6月4日の記者会見で、「中国は東シナ海において力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続している」とし、「海軍艦艇の恒常的な活動の下で、わが国の抗議にも関わらず中国海警局の船舶が尖閣諸島周辺のわが国領海への侵入を繰り返している」と述べている。

ランド研究所ティモシー・ヒース(Timothy Heath)上級国際防衛研究員はFORUMに対して、中国の継続的な侵入の動機には同国政府の資源への渇望と領土に対する野心の両方が含まれていると話している。

ヒース研究員の説明によると、中国が紛争海域の支配に躍起になるのは領有権を確保することで自国漁船が漁業を操業し、石油探査船による調査を実施できるという商業上の理由があるだけでなく、多くの漁船は中国政府の指揮系統下にあり海上民兵としての役割を果たしている。

内閣官房副長官補を務めた経歴のある同志社大学の兼原信克特別客員教授は、2021年7月に日本関連ニュースを世界に発信する「JAPAN Forward(ジャパンフォワード)」ウェブサイトに掲載された記事で、1969年の国連報告書で尖閣諸島付近における石油鉱床の可能性が発表されるまで、同諸島に関心を示した国は皆無であったと述べている。

ヒース研究員は、「尖閣諸島と周辺海域は台湾周辺からより広い太平洋へ出る場合の戦略的な中継点となる。特にPLAN[中国人民解放軍海軍]にとっては、より広大な太平洋でその存在感を拡大して影響力を強化するための重要な玄関口となるわけである」と話している。

尖閣諸島警備の主要任務を負っている海上保安庁が中国船舶による侵入の監視と日本船舶の護衛を実施していると説明した岸防衛相は、一方で海上自衛隊(JMSDF)が哨戒機を展開して中国船舶の「状態を監視」していると発表している。

米国国防総省の発表では、陸上自衛隊と米国陸軍の数千人の隊員により日本全国の広範な地域で戦術訓練演習と二国間作戦計画を実施する「オリエント・シールド21-2」が2021年6月24日から実施されていた。

同研究員は、「現在、日米にとっての最善策は中国の存在感に匹敵する勢力を確立することだと思われる。これまでも日本は最善を尽くしてきた」と述べている。

同研究員の予測によると、尖閣諸島周辺に侵入する中国船舶数の増加に伴い紛争発生の可能性が高まる。 同研究員はまた、「中国と日本の保有船舶数の差は中国に有利な形で広がる可能性がある。中国の船舶数が大幅に増えれば、同国がより大胆になり多少の危険は顧みずに一層攻撃的な戦術で海上保安庁船舶の撃退を試みるようになるかもしれないというリスクが経時的に発生し得る」と話している。

米国は中国政府に対し、中国海警局と海上民兵による敵対的行為が一線を超えたと見なされた場合は日米安全保障条約第5条に基づき米国が集団的自衛権を行使する可能性があると警告を発している。

ヒース研究員は、「少なくとも今のところ、1対1ではないにしても海上保安庁の船舶と航空機は中国に実質的に匹敵する勢力を維持している」とし、「中国近隣に位置する他諸国の利益にとってこれは非常に効果的な抑止として機能している」と結論付けている  

(Indo-Pacific Defence Forum)

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