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地球内部の謎の炭素貯蔵庫 想像以上に吸収量が多い

地球の深部には大気や地表から排出された炭素を大量に吸収し、地中深くに閉じ込めておくことで炭素削減効果があることがわかりました。この発見は、科学者が「気候温暖化」モデルの様々な評価と予測を修正するのに役立ちます。

これまで科学者たちは、大気や地表の炭素排出が地球炭素循環システムによって地下に運ばれた後、火山噴火によってすべて地上に戻ってくると考えていました。

しかし、7月14日に発表された『ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)』誌の研究によると、炭素の約3分の1は、地下深くにある何らかのメカニズムによって閉じ込められ、長期間、地球内部に留まり、短期間で地上や大気に戻ることはないと言われています。

この研究では、地球炭素循環についての理解が深まれば、炭素排出による影響をより正確に予測できるようになるとされており、それに基づいて「気候温暖化」の問題に関する研究を進めるのが合理的だとされています

主要研究者である英ケンブリッジ大学材料科学者のステファン・ファーサン(Stefan Farsang)氏は、「地表の炭素蓄積量と流量はよくわかっているが、炭素地球内部に蓄積されるメカニズムについてはあまりわかっていない。 地球内部の炭素循環は、何百万年に及ぶ可能性がある」と話しています。

この研究によると、地殻プレートが沈み込んだり、地殻プレート間で折り曲がったり変形したりするようなプレートの変化が、地表の炭素を地下深くに運んでいるようです。その過程で、生物の死骸や貝殻など、炭素を多く含む物質が、地下深くにまきこまれていく。これは炭素移動の方法の一つです。また、大気中の二酸化炭素も海洋堆積物を通じて、海底に沈んで地下に入る。これも炭素移動のもう一つの重要な方法です。


この研究では、欧州の放射光施設の粒子加速器を利用して、高圧・高温の環境を作り出し、地殻の沈み込み帯の岩石の内部で起こる化学反応をシミュレーションし、地球内部の進化モデルを構築しました。

研究チームは、地殻プレートの岩石がマントル層に巻き込まれる過程で、カルシウムの含有量が減少し、マグネシウムの含有量が増加することを発見しました。その結果、溶解性が小さくなり、マグマに溶けにくくなり、火山の噴火に伴って地上に戻る可能性も低くなります。
この研究では、炭酸塩の大部分が地下深くに沈み、大気から海洋堆積物を通じて地下に沈んだ炭素と結合して最終的にダイヤモンドになったのではないかと考えられています。

研究者の一人であるシンガポールの南洋理工大学の物理学者サイモン・レッドファーン(Simon Redfern)氏は、「私たちの研究では、これらの鉱物が非常に安定していることがわかった。絶対に大気からの二酸化炭素を閉じ込めて丈夫な鉱物形態に変えることができ、炭素削減効果を達成できる」と述べています。

(翻訳 源正悟)