(Sonny Tumbelaka/AFP via Getty Images)

台湾医師が語るワクチン接種「2つの場合は見合わせて」

複数種類の新型コロナウイルス(中共ウイルス)ワクチンが開発されたことで、各国政府は、自国民のために必要なワクチンの確保と、急務とされる接種業務に追われています。

一方で、重度の副反応や突然死の事例も伝えられています。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。

日頃から「3高のコントロール」が不可欠

台湾では、ワクチン接種後の「突然死」が増加しています。

これらの死亡例がワクチン接種に直接関係しているか否かは、まだ不明です。
台湾中央疫病指揮センターは、ワクチン接種後に死亡した人の病理解剖を行いました。その結果、死因の多くは心筋梗塞や大動脈瘤破裂などで、その人が長年にわたりもっていた慢性疾患と関係があることを発見しましたが、接種したワクチンとの因果関係については、それを証明するエビデンスは得られませんでした。

しかし、台湾救急加護医学会の執行長で、秀伝記念病院救急部総局長の黄炳文医師は、「心臓の血管に疾患がある人。高血圧、糖尿病、腎臓病などの慢性疾患を患っている人。アレルギー体質(ぜん息、じんましん、薬物過敏)の人は、ワクチン接種した場合のリスクが高くなる」と指摘します。

黄医師は、「こうした慢性疾患をもつ人は、事前に医師に相談した上で、症状が改善してから接種するようにしてほしい」と言います。
ここで問題になるのは、多くの人が「自分の健康状態についてよく知らない」ことです。

黄医師は「多くの人は血圧、血糖値、血中脂質のコントロールに、あまり関心を向けていない」といいます。こうした数値が高い人、いわゆる「3高」の人はワクチン接種後の副反応が出やすいことが、すでに知られています。

日頃から、自分の健康に関心をもち、3高のうち一つでも該当する項目があったら、その改善を心がけた食事や生活を送るようにしてください。

そのように自己コントロールできる人であれば、ワクチン接種後の副反応というリスクを回避または軽減できるとした上で、黄医師は「もしも、その逆であった場合。つまり慢性疾患を自己コントロールしていない場合には、眠りについたまま覚めない可能性(死亡)も否定できません」と警告します。

「ダメです。すぐに心臓外科へ行って」

桃園敏盛病院の副院長・柯紹華医師は先日、市民にワクチン接種していたところ、次のようなハイリスクの人に遭遇しました。
高齢の女性がワクチン接種のため来院しましたが、ワクチンを打つ前の問診で「私、不整脈の薬を飲んでいるんです」と話しました。その女性は、ウイルス感染を恐れて、ほとんど外出することもなく、かかりつけの病院にも行っていませんでした。「最近、ちょっと胸が苦しい」と言います。

その女性の脈拍を測ったところ、なんと30ほどしかありません。明らかに心臓機能が落ちています。柯医師が慌てて、「ダメです。あなたの心臓は危険な状態です。ワクチン接種どころではありません。すぐに専門の心臓外科へ行ってください!」。

その高齢の女性は柯医師の話を聞いて、始めは信じられなかったといいます。家族との会話も普通にでき、特に異常はないと自分では思っていたのです。

ワクチン接種を見合わせる「2つの場合」

高齢者へのワクチン接種は、まれな副反応のリスクがありますが、新型コロナウイルスに感染した場合、それが重篤となって死亡するリスクが高いため、国際的には賛否両論があります。

台湾疫病状況指揮センター専門家コンサルティングチームの張上淳氏、および台大病院のワクチン情報質疑応答集の資料によると、以下の2つの状況である場合は、ワクチン接種を留保すべきである、としています。

一つ目は、発熱または中度から重度の急性の病気があり、病状が不安定な場合。
二つ目は、慢性疾患があって、自己コントロールできず、病状が不安定な場合。

また、アストラゼネカ製ワクチンは、血栓を伴う、血小板減少の副反応がまれにあることから、血栓合併血小板減少症候群やヘパリンによる血小板減少症の病歴がある人は、アストラゼネカ製ワクチン接種は避けるべきでしょう。

黄医師は「どんなワクチンでも、一定の割合で副反応や後遺症はあります」とした上で、特にアストラゼネカ製ワクチン血栓副反応が懸念されるため、接種後の反応に注意するよう呼びかけています。

いずれにしても、高血圧、脳卒中、心臓の病気、血小板の低下や血液凝固異常、血栓関連の病気、などの病歴がある人や抗凝固薬を服用している人は、必ずワクチン接種前に医師の診断を受けてください。

 

(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)