2020年4月8日、北京で行われた記者会見の後、メモをまとめる中国外交部の趙立堅報道官(Greg Baker/AFP via Getty Images)

中国、「愛国」告発ブーム 戦狼外交官も標的に「地図には台湾がない」と糾弾

愛国主義者による告発ブームが広がっている中国で、外務省の趙立堅副報道局長も標的にされた。趙氏のツイートには、台湾が中国地図に含まれていなかったため、「中国を侮辱した」とバッシングされている。

米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、趙氏は海外SNSのツイッターに、世界各国の森林面積を示す世界地図のイラストを投稿し、「環境保護に関して、われわれ(中国当局)は口よりも、常に行動で示してきた」と英語でコメントを書き込んだ。中国当局が国内で自然環境を破壊しているという国際社会の批判をかわす狙いだとみられる。

同イラストは、中国本土には森林が多くて自然環境が良いというアピールで深い緑色に覆われている。しかし、台湾は、森があまりないという意味の白色で塗られている。また、チベット自治区南部などは、インドと同じく薄い緑色に描かれた。

一部の中国人ネットユーザーは、趙氏は台湾を中国地図から除外しただけではなく、チベットの南部領土をインドに渡したとして、「中国を侮辱した」「台湾独立分子だ」と糾弾した。また、外務省の高官が「このような低レベルの過ちを犯したことを恥じるべきだ」として、同氏に説明を求めるネットユーザーもいる。

趙氏は、中国当局が展開する好戦的な外交姿勢「戦狼外交」を代表する1人で、「戦狼外交官」の異名を持つ。同ツイートはすでに削除された。

中国時事評論家の陳破空氏はRFAに対して、「趙立堅氏などの高官は、表では当局の立場として台湾は中国当局の一部だと唱えているが、実際は本心ではすでに台湾を独立国家と認識していることを反映した」と分析した。

RFAによると、中国国内の愛国主義者らは、本土で活躍している台湾や香港の芸能人を狙い、攻撃している。台湾人女優の張鈞甯(チャン・チュンニン)氏はこのほど、「台湾独立分子」と非難された。愛国主義者らは、張氏が十数年前に台湾の中央大学産経研究所に就学中に書いた『わが国の芸能人のマネジメント・管理に関する法制度問題』と題した修士論文を探し出した。同氏が台湾を「わが国」と表現したことは、台湾の独立を支持しているのを表したと愛国主義者らがバッシングした。

これを受けて、張氏は6日、中国SNS微博(ウェイボー)で声明を発表し、「台湾独立を支持していない」とした。

陳破空氏は、中国共産党の統一戦線工作部と国家安全部が芸能人の名簿を持っており、愛国主義者らに台湾の女優らを攻撃するよう指示しているとの見方を示した。また、愛国主義者の中にはネット工作員のほかに、刑務所に服役する受刑者もいる。「受刑者らは告発で減刑を図っている。国内ではこれはもう秘密ではない」と陳氏は述べた。

(翻訳編集・張哲)